MDN 翻訳コミュニティで私がやったこと
MDNの翻訳活動に参加した話
この記事は 2023 年の MDN 翻訳 Advent Calendar 向けに作成したものです。
こんにちは。debiru です。私は MDN が Mozilla Developer Network だった頃からよく MDN の記事を読んだり、内容に誤りがあれば修正したりしていました。ちなみに MDN が MDN Web Docs と呼ばれるようになったのは 2017 年 6 月頃のようです。
当時、私がよく MDN を見ていたのは確か 2012 年頃だったんじゃないかと思います。その頃の MDN は Wiki エンジンが採用されていて、Web ページ上で記事を直接編集できる仕組みがありました。より詳細には少し古いですが「MDN のあゆみ」(いつ書かれた?)が参考になるかもしれません。
そして気づけば、MDN は GitHub で管理されるようになりました。記事の編集も GitHub の Pull Request ベースで行われるようになっています。GitHub で管理されてからは初めてだったのですが、2022 年 2 月にある記事を編集したくなって、編集するにあたって案内されていた Mozilla コミュニティの Slack に参加することにしました。
Mozilla コミュニティに参加して
早速、修正したい記事を編集して Pull Request を出して直せたのですが、その後も記事を編集したり、新たに日本語訳ページを作成するなど継続的に MDN に関わっていきそうだなと思っていたので、もう少し Moziila コミュニティに深入りすることにしました。
まず、日本の Mozilla コミュニティ(MDN 翻訳コミュニティ)で何が行われているのかを知り、月1回「MDN 月例ミートアップ」というのがあることを知りました。2022年はコロナ禍だったので、オフラインでは集まらずに Slack で集まってミートアップをしていました。
月1回、時間を合わせて、5 時間ほどの間にみんなで翻訳作業をやろうというのです。翻訳作業をするには、GitHub を使うだけでなく、手元のローカル環境で MDN Web Docs のプレビュー環境を用意したりと、少し作業が必要になります。詳細は「翻訳作業の流れ」に書いてあります。
しかし、翻訳作業を進めるにあたって、何か足りないなと思ったのです。どうやったら「新規翻訳すべき英語記事」を見つけることができるのかと。MDN 内で「日本語訳が存在しない記事一覧」などを見られればよいのですが、そんな機能はないようです。以前は何かあったようですが、MDN が現在の Yari というバージョンに変わってからは使えなくなってしまったようです。
そんなわけで、「MDN 月例ミートアップ」に参加して必要だなと思ったものを色々と私が用意していったのです。
私がつくったもの
MDN 翻訳コミュニティに参加して、私がつくったものです。
MDN翻訳ステータス一覧表
https://mdn.lavoscore.org/ です。「日本語版がないglossary一覧」などを表示できます。MDN の記事を管理しているリポジトリのデータをスキャンして、記事毎に関連するデータを出力しています。
MDNミートアップ:自己紹介シート
「自己紹介スプレッドシート」です。MDN 月例ミートアップがオンラインで開催されるようになってから Slack のチャットで自己紹介していたようですが、チャットだと流れてしまうし参加者が一覧できないので、「スプレッドシートでも用意しましょうよ」とお願いして作ることになりました。
MDN 月例ミートアップ - 翻訳ガイド
https://mozilla-japan.github.io/mdn-translation-guide/ です。このドキュメントの内容を執筆しました。
私が MDN コミュニティに参加した当時は、初参加者の人に対して「月例ミートアップ資料(Google スライド)」が提示されていました。これを見て翻訳作業に参加していたのですが、ドキュメントが体系的でなく古い記述内容とかも混じっていて読みづらかったのです。
MDN ドキュメントの日本語翻訳ガイド
https://github.com/mdn/translated-content/tree/main/docs/ja です。これは月例ミートアップとは関係なく、MDN 翻訳版用のリポジトリーに含まれるドキュメントで、各言語向けに用意されていますが、日本語版が存在していませんでした。これを執筆しました。
ちなみに、MDN では「表記ガイドライン」があって、Repository は -ry で終わるのでカタカナ表記するときは長音を付ける必要があります。なのでここでも「リポジトリ」ではなく「リポジトリー」と書いてみました。(個人的には普段「リポジトリ」と書くのですが……)
翻訳作業によって生成された記事
ここに載っていないものもありますが、debiru の作業 Issue が MDN 日本語コミュニティ向けリポジトリーにまとまっています。
普段、翻訳作業をするときはここに Issue をメモ代わりに書いて、翻訳作業を行います。Pull Request はこのリポジトリーではなく、「MDN 翻訳記事の管理リポジトリー」に行います。翻訳記事の管理リポジトリーは、日本語以外にも、英語以外の全ての翻訳記事を扱っているので、日本語版オンリーの情報を扱えるリポジトリーを別途用意しているわけです。
さいごに
私の成果物しか紹介していませんが、少し長くなってきたのでこの記事はこの辺にしておきましょう。
どうでしょうか。少しでも MDN 翻訳コミュニティの雰囲気が伝わったでしょうか。もし MDN の記事の編集などに興味を持たれたら、ぜひ Mozilla コミュニティの Slack にお気軽にご参加ください。無料版なので 90 日前のメッセージまでしか見られないですが、今のところ Slack でメンバーが交流しています。MDN に関する質問や雑談などができます。